グリーフケアを学びたい方 School
グリーフ専門士とは
グリーフ専門士とは、大切な人と死別された方のお話に耳を傾ける同行者(どうこうしゃ)です。
「身近な人に心配をかけたくない」「周囲に自分の気持ちをありのまま語れない」
そのようなあなたの想いに丁寧に耳を傾ける存在であり、共に泣いたり、笑ったり、
ときに客観的な視点で関わることを目指しています。
専門士は死別や離別を経験したメンバーが大半であり、頼れる同行者として一緒に歩きたいと思っています。
グリーフ専門士の活動の場
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わかちあいの会
20年以上前に双子の妹を亡くしました。それ以来、哀しみにくれる母の為に頑張って生きてきたように思います。母の笑顔が私の頑張る理由でした。
その母を亡くし、自分の存在意義を見失っていた時に出会ったのがグリーフケアです。妹と母の事を話せる人がいなかった私に学びを通して聴いてくれる仲間ができ、初めて共同体感覚というものを感じることができました。
学びを進めていく中で遺族のわかちあいの会のお手伝いに入らせて頂き、今は責任者として活動できていることに自分でも不思議な感じです。看護師を目指していた妹と共に活動しているような気持ちで臨んでいます。白土千夏
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カウンセリング
産業カウンセラーとして活動していましたが死別された方にどう声を掛ければいいか迷っていました。
そこからグリーフケアに出会い、養成講座に進み、代表が東京で行っていた精神科クリニックでのグリーフケアプログラムにもついていくなど自分なりに一生懸命、取り組みました。
日本グリーフ専門士協会でグリーフを生かしたカウンセリングを体系的に学ぶようになりグリーフカウンセラーの道がひらけました。
現在は産業カウンセラー協会の複数の支部でグリーフケアに関する研修の依頼や大学での研修をさせてもらえるようにもなり、自身の変化を感じています。村野直子
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企業研修
母の闘病、認知症の自宅介護を経て看取りました。
生きづらさで社会に馴染めない娘を、葛藤しながら見守ってくれた母でした。
自立した姿を見せて恩返しがしたかった。叶わなかった願いと罪悪感からどんなに頑張っても解放されず、生きる事を挫折しかけた時、「自分が本当に欲してたものは何だったのか」教えてくれたのがグリーフケアでした。
トレーナーコースでの研鑽と、年間130日以上の養成コースサポートを重ねる中で、グリーフ専門士ベーシックの講師を担うようになりました。受講生おひとりおひとりが共に学び合う仲間です。
現在は遺族支援に心を寄せる企業やNPO法人の研修、ラジオ出演の機会もいただき、グリーフケアを通して、ようやく社会と繋がれた日々を大切に生きています。山内陽卯
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災害支援
薬剤師、防災士として、災害支援に携わっています。「被災者の生活実態調査」に参加した時に協会での学びが役に立ちました。
地震・津波や豪雨による氾濫など、私たちは災害により大切なものを様々な形で失います。現地の方々は身近な方を失うなど、被災時の大変な状況を打ち明けられる相手がどなたもいない状態でした。
敬話敬聴で関わることにより、涙されながら話をしてくださる方々もおられました。話すことで少しでも心のご負担が軽減されたご様子に被災後のグリーフケアの重要性を感じました。
日本では今後も災害が起きると思われます。日頃の防災とともに被災後のメンタルケアに必要なグリーフケアを皆さんと一緒に広めていければと思います。大森眞樹
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記事執筆
両親、愛犬、そして2020年には最愛の夫とも死別。
グリーフケアという言葉すら知らなかった頃の死別はその後うつ病と診断されるにいたり、苦しい時間を長く過ごしました。
夫との死別直後、すがるような気持ちで検索し続けたインターネットの中で日本グリーフ専門士協会と出会います。
気持ちを揺さぶられながらも学びを続けていくうちに、かつて志した「書くこと」でお役に立てないかと考えるようになりました。
現在はサポートとしての経験を積みながら、グリーフケアを対外的に広げていけるよう、少しずつですが広報的な活動にも携わらせていただいています。
私自身まだまだグリーフの渦中におりますが、その内側から見ている風景、そしてその先に見え隠れするものを経験を通してお伝えすること。
数年前の私のように救いを求めて彷徨い続けている方々に少しでも何かを受け取っていただけるよう、これからも発信し続けたいと思います。川上寿美
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NPO連携
グリーフ専門士のベーシックに参加したときは、自分のグリーフをすべて話すことは出来ませんでした。しかし、アドバンス、マスター、カウンセラーと学びを深めていく中、他者への貢献を目的として学びを始めた自分自身が、セルフケアの大切さに気づき、課題の分離ができ、自分を愛し、許せるようになったことで、他者を愛し、許すことができるようになりました。
はじめは知識で理解しても現実にはなかなか変われないもどかしさもありました。しかし、学びながら、自分を語り、知り、考え、実践と、何度も繰り返すことで変化していきました。
グリーフケアの答えは1つではないと言われています。担当しているわかちあいの会でも終了後のミーティングでは仲間から様々な意見が出ます。
参加される方の居場所ですが、専門士仲間の信頼できる心優しいあたたかい学びの場所にもなっています。
また協会の推薦もありNPO団体の相談員として採用されました。これからも死にたいというお気持ちを抱えた方のお話しにも寄り添っていきたいと思います。古賀千鶴