グリーフケアを学びたい方

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受講生の声

  • 社会生活や医療介護の現場がより温かいものに変わっていく

    内科医として心臓病や高血圧の診療と研究を行っています。2016年からコーチングやアドラー心理学を学び始め、その後、日本グリーフ専門士協会でグリーフケアを学びました。

    養成コースではアドラー心理学を基礎としたグリーフケアの実践的な内容を学びました。講義形式ではなく、少人数の対話型で、参加者の体験などもシェアしながら理解を深めることができました。コースでの一番の学びは「敬話」と「敬聴」です。相手をリスペクトし信頼して大切に接する姿勢が身についたように思います。

    仕事の面では、外来でグリーフを持つ患者さんを診るときに、短時間ですが学んだことをいかして寄り添った対話ができていると思います。また、看取りのときに、家族にしっかりと配慮できるようになり、例えば後方にいる子どもをベッドサイドに移動してもらうような配慮ができるようになりました。

    グリーフというと死別や哀しみなどの暗い側面が浮かぶ一方で、生きること、愛や喜びに触れることができるというポジティブな側面があります。グリーフケアの広がりで、社会生活や医療介護の現場がより温かいものに変わっていくことを感じています。

    安川秀雄50代久留米大学保健管理センター教授/久留米大学産業医

  • 本当の意味で人に寄り添うことを学んだ

    夫の看病、死別を経験したことから、闘病している患者さん本人や 看病をしている家族のサポートをしたいと心のケアを学び、カウンセラーとして活動しながら、その後 日本グリーフ専門士協会にてグリーフケアを学びました。

    自分自身の死別を始めとした色々なグリーフと向き合うことで、蓋をしていた感情や自分に起きていたことを客観的に理解することが出来、本当の意味で人に寄り添うということを学びました。

    その学びは、ふだんの日常生活における周囲の人とのコミュニケーションにも、今仕事として行っているカウンセリングにも活かされていると感じます。相談に来られた多くの方々のコメントから、言葉では言い表せない気持ちをより深いところで理解し、温かい対応に繋げられているのではないかと感じています。

    そして、ベーシック、アドバンス、マスター、トレーナーと上位のコースで学ぶにつれ、これまでの人生における一つ一つの何気ない経験が、実は自分にとって深い意味があったり、今の自分に繋がっていたりと、死別だけでない自分を作っているものを理解することで、前より自分を大切にしていくことが出来るようになりました。

    小栗貴代美40代カウンセラー/サロン澄音 主宰

  • 普段の立場と関係なく話し合うことで学べた

    私は救急医から緩和ケア医になりました。それは救急だけで解決できない問題が山積みだと感じたからです。救急医は目の前の人を助けるのが仕事ですが、残念ながら助からない人がいるのも事実です。

    助からない人にどう手を差し伸べればいいのかが自分の課題でした。亡くなった患者さんの家族にどう声をかけたらいいのか?とても悩みました。突然の事故や自殺など、悲嘆が強く、最も支援が必要なのに、支援するシステムがありません。

    そこで2018年にグリーフ専門士の取得と緩和ケア医になることにしました。オンラインでの学びでも非常に濃密でした。グリーフケアの理念は緩和ケアの理念とも共通しています。私は子供や配偶者を亡くした経験がありませんでした。当時の自分は、本当に気持ちがわかるのか?受ける資格があるのか?ましてや医師であり気を遣わせるのではないか?と心配しておりました。

    もちろん、受講生の中には身近な方の死別を経験されている方もいらっしゃいました。実際は普段の立場と関係なく、心理的に安全な環境でディスカッションができ、本当によかったです。

    たとえ身体が助けられなくても、心は助けられたらとの思いで今も臨床をしています。緩和ケアで感じるのは心を助けるのに、医師である必要はなく、わかってくれる人がいることが大切だということです。
    ぜひ興味ある方は受講されてみてください。何かしら発見や学びがあると思います。

    石上雄一郎30代飯塚病院 連携医療緩和ケア科 医師

  • 自分の内面の声に耳を傾け、自分の哀しみを敬う大切さを知った

    グリーフケアを学んでいくうちに、「人は人生の中で、様々な人や出来事に出会い、そして別れを迎える。出会いの喜びや不思議さを感じつつ、別れの哀しみを大切にできる場を人は求めているのだろう」と思うようになりました。

    どのような人にも、その人にしかわからない深い哀しみがあるのだろうなと考えるようになりました。

    私は、僧侶として、教員として、専門士の養成コースに参加しました。

    その中で、「お仕事の両立は本当に大変だと思います。でも、教員のお仕事は子どもたちの未来に関係するお仕事です。未来を担う子どもたちのグリーフに携われるのが教員のお仕事ですね。僧侶のお仕事は、人生全体や人生の締めくくりに関係するお仕事です。人は、人生の中で必ずグリーフに出会うことになります。そこに携われるのが僧侶のお仕事ですね。その両方に携われることは、大変ですが、貴重なことです」と教えていただきました。

    「敬話敬聴」、敬意を払ってお話をして、敬意を払ってお話を聴く。これがグリーフ専門士の基本姿勢です。
    「相手のお話を丁寧にお聴きし、相手の哀しみを敬う」と同時に、「自分自身の内面の声に耳を傾け、自分自身の哀しみを敬う」ことが大切なことだと教えていただきました。
    お寺と学校、それぞれの現場で、「敬話敬聴」を大切に実践していきたいと思います。

    國田顕應40代真宗大谷派僧侶/教員

  • どう声をかければよいのかの答えが見つかった

    トリマーという仕事柄、わんちゃんが亡くなるという話を飼い主様から聞く機会が多くあります。

    そんな時わたしはいつも“どう声をかけるのが正解なのだろう?”と感じていました。
    どうすればわんちゃんを亡くした飼い主様の苦しみを減らすことが出来るのだろう……と。

    ある時、縁あって日本クリーフ専門士協会のことを知りました。受講してみると私の求めているものがそこにありました。それは“敬話敬聴”というものです。

    飼い主様に必要なものは気の利いた言葉やとってつけた慰めの言葉ではなく、敬話敬聴であると強く感じました。

    それ以降飼い主様から知らされる悲しいご報告に怯えることはなくなりました。今はただ飼い主様の言葉を深く聴き、哀しみを共有し、一緒に泣くことが苦しみを減らす術だと感じています。

    小林秀人40代トリミングサロン(dogstar) 代表トリマー

  • 表現される感情が貴重なものだと思えるようなった

    長女を5歳で亡くしたことをきっかけに、本協会と出会いました。
     
    学びと活動を通じ、自身と向き合う機会を何度も繰り返しています。また、ともに学ぶ仲間から、様々な「グリーフ」の形があることを教えていただいています。

    そして多くの人が、何かしら「グリーフ」を抱えながら生きていて、その感情は、素直に受け止めて良い、貴重なものだと思えるようになりました。共に寄り添い、聴きあい、生きていく、学びの仲間との出会いも、かけがえのないものです。今も多くの先輩方、参加してくださる方々の存在に支えられています。

    看護の仕事をする上でも、これまで以上に出会う方々の感情を大切に向き合えるようになったと感じます。ご本人様はもちろん、ご家族、スタッフに関しても。

    笑顔だけではなく、涙もありますが、不思議なことに、温かい気持ちになります。ほんの一瞬の関わりも、かけがえのない出会いです。

    須賀ゆりえ30代看護師/保健師